10月
京都の暖簾
京の町並みに馴染む様々な暖簾。その色は単なる装飾ではなく、かつては店の職種を知らせる大切な目印でした。藍は呉服屋や蕎麦屋、赤は薬種屋を示すなど、色ごとに意味がありました。なかでも白は特別で、御所御用を務めることを許された老舗にのみ掲げられたと伝わります。和菓子司はもちろん、宮中に出入りを許された料理屋なども白い麻暖簾を掛けて格式の象徴としました。1枚の布に宿る色は町人の暮らしや文化の歴史であり、老舗の誇りを今も静かに物語っているのです。

Gion Tatsumi
賑わう大通りから外れると、整然とした町家と石畳が続く。いつ歩いても、華やかな雰囲気の残る巽橋あたりへ向かう小道はしっとりとした風情を感じます。
作者竹中健司
26,400円(税込)

Kouyakunozushi
ビルが建ち並ぶ市街地に残る鍵型に折れ曲がって伸びる細い通り。大通りから歩みを進めると、都会の喧騒が感じられないほど静かで、風情が残る京町家が軒を連ねます。
作者竹中健司
26,400円(税込)
11月
「紅葉狩り」・「桜狩り」
平安の昔、貴族たちは美しい桜や紅葉を求めて山野へ出向き、季節の移ろいを愛でたといいます。季節の植物を鑑賞しに出かけることを「狩り」にたとえたのが始まりだとか。やがて桜は里で咲くようになり、「花見」と呼ばれるようになりましたが、紅葉は今も山や庭園を歩いて楽しむため、「紅葉狩り」という言葉が残りました。11月の京都では、あちらこちらが紅葉の名所に。遠くまで行かずとも秋を感じられる「紅葉見」の季節が訪れます。
12月
椿
京町家の坪庭の椿は、冬でも葉を落とさない常緑の木として植えられています。十二月の京都は色の少ない季節ですが、椿は寒さの中で静かに蕾をふくらませ、早春へ向かう気配をそっと伝えてくれます。庭に落ちた椿の花は、まるで冬の景色の小さな灯のよう。光の届きにくい町家でも育ちやすいその姿は、師走の京都にやわらかな彩りを添えてくれます。









