職人便り
2022年バックナンバー

1月

まあるいかたち
彫師・野嶋一生

 彫師になって最初に練習するのが丸の彫です。版木刀に伝える力加減が常に一定でないと美しい丸になりません。正円が彫れるように体で覚えると、どんな種類の丸でも彫れるようになります。いろんな丸を彫ることで、また正円の彫が上達していきます。

コマ

シンプルな絵柄は彫の量は少ないですが、一瞬の集中力で美しい円を彫りあげます。

作者竹中健司

3,300円(税込)から

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ひらく

すこし抑揚のある椿の丸い花びら。線のブレ、ではなく味と感じてもらえるように心がけます。

作者原田裕子

11,000円(税込)から

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東海道五十三次 三条大橋

浮世絵にはたくさん線が入っていますが、そのなかにも大きな丸や小さな丸が入っています。

作者歌川広重

13,200円(税込)から

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2月

木版本
竹笹堂代表・竹中健司

 木版の集大成本を上梓(じょうし)しました。上梓と言うのは、昔、梓(あずさ)の版木を使って文字を彫刻して、本を出版していたところから来ているそうです。この木版本は機械印刷でできていますが、内容は木版の歴史から技法など様々な木版の事を集約しております。竹笹堂の作品、商品などは、この集約された内容を使って出来ております。

木版画 伝統技法とその意匠

古代に木版印刷が誕生した歴史から、竹笹堂の木版職人による高度な技術やプロの道具、秀逸な作品を掲載する木版画本の決定版!!

共著者竹中健司・米原有二

4,400円(税込)

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京都・竹笹堂 はじめての木版画 かわいい雑貨を作る本

竹中健司が伝統的な木版画の技法・レシピを分かりやすく簡単に解説。作品制作のいろはがわかります◎

著者竹中健司

2,200円(税込)

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基本のテクニックからデザインのコツまで詳しく解説!手作りがうれしい木版画年賀状

竹中健司の一番弟子、原田裕子が教える初心者向けの教本。デザイン画つきが嬉しい。

著者原田裕子

1,650円(税込)

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ブックカバー 市松(全2色)

こちらは文庫本、新書本サイズですが、同じ柄の木版和紙で注文すると、上記の大きな本にもブックカバーがかけられますよ♪

デザイン竹中健司

880円(税込)

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3月

春の気配
摺師・森愛鐘

 3月に入るときびしい寒さが少しゆるみ、あちらこちらに春の気配が満ちてきます。この時期になると本格的な春を前に桜柄の商品の摺りが最盛期を迎えます。淡く華やかな色彩が工房内に溢れ、暖かく明るい春への期待がより一層高まります。

アートカード 梅

やさしいパステルカラーが春の気配を感じさせます。

作者原田裕子

1,320円税込)

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西陣沈丁花

春が近くなると京都の街がふんわりと沈丁花の香りに包まれます。

作者竹中健司

22,000円(税込)から

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HARUMI

日本中が桜色に染まるまであともう少しですね。

作者森愛鐘

8,800円 (税込)から

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4月

直線
彫師・野嶋一生

 版木を彫るときは、どのような図柄でもまずは小刀で切り込みをいれます。直線の彫は始点から終点まで寄り道することなく一定のスピードで小刀を動かすことが肝心です。版木を切る感触を最も感じられる工程なので、この感覚を他の描線の彫りにも活かしています。

Gosho

原画は定規で線をひきましたが、木版で表現することで独特の温かみをみせてくれます。

作者野嶋一生

13,200円税込)

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Kamogawa ame

黒澤明は墨を混ぜた水で雨を撮影したとか。鴨川の雨は虹色なのです。

作者竹中健司

22,000円(税込)から

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浮世絵和紙 東海道五十三次之内 日本橋

骨線(輪郭線)だけで浮世絵をみると、その直線の美しさもひと際です。

作者歌川広重

1,320円(税込)

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5月

断裁
五代目摺師・竹中健司

 ずっと昔から変わらず、今も木版画に使う和紙を裁断する時には木の棒(定規)で紙を抑えて、紙包丁で切ります。この裁断方法は古典的な技ですが、多目の和紙を裁断する際に行い、真っすぐに紙を断つことができて手早く済みます。しかし、慣れないと難しい方法でもあり、美しく切るためには包丁のメンテナンスがかかせません。切れ味を保つための包丁の研ぎは、本当に大変です。

lapislazuli

手漉き越前和紙のもつ独特の色味をいかした作品。今シーズンにぴったりの鮮やかな配色も素敵です。

作者竹中健司

22,000円(税込)から

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二条城松玉

二条城を背にした松玉の間にのぞく手漉き越前和紙の質感が、作品の風格を語ります。

作者竹中健司

22,000円(税込)から

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浮世絵 美人画 高島おひさ

手漉き越前和紙を使う美人画の背景には雲母(キラ)摺りが。その名の通り、まるでパール加工のようにキラキラと輝く鉱物を摺っています。

作者喜多川歌麿

13,200円(税込)から

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6月

おかしなモクハン(和菓子編)
六代目摺師・原田裕子

 節句にと、実家からあくまきが届きました。小さいときから親しんできた地元の郷土菓子です。京都では、夏越しの祓に水無月をいただきます。四季折々の風物などが意匠や素材として織り込まれ、視覚にも味覚にも味わい深い和菓子。そこにこめられた願いや季節感を、木版画のデザインで再構築してみました。

ブックカバー 水無月

毎年6月には欠かせない、ふしぎな三角形。

作者原田裕子

1,320円

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季節の木版画 はなびら餅

新年の美しいお菓子。しかもごぼうが入っている驚きといったら!

作者原田裕子

2,200円(税込)から

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季節の木版画 鯛焼市松

手軽にめでたく、焼きたてがうれしい。

作者原田裕子

2,200円(税込)から

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7月

木版和紙の彫
彫師・野嶋一生

 木版和紙は大錦判(約縦27cm×横39cm)と呼ばれる紙一面に柄が散らされているため、何度も同じ形を彫ることになります。絵を彫るのとはまた少し違う繰り返しの感覚です。形にばらつきが出ないよう、全体を見ながら彫を進めます。

木版和紙 ほこりずむ(全3色)

祇園祭の鉾にはいろいろな形が入っています。版を分けて見ると記号のようにも見えてきます。

作者加藤光穂

1,320円

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木版和紙 鹿の子レモン

鹿の子文様の彫は基本の技です。摺の際絵の具が詰まらないように工夫して彫っています。

作者原田裕子

880円(税込)

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木版和紙 マカロン

すこしだけゆがんだ丸い形がマカロンの質感をおいしく表現しています。

作者原田裕子

1,760円(税込)

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8月

ドーサ引き
五代目摺師・竹中健司

 ドーサ引きは和紙に滲み止め加工をする事です。雨の日はイオンの関係でドーサ引きができません。梅雨が抜けた8月は晴れた日が多く、天気予報をそれほど気にしなくても大丈夫です。

美人画 高島おひさ

浮世絵は江戸時代当時では手にとってみるものでした。そのため、ドーサ引きをした手漉きの和紙の中でも厚みと強度がある越前奉書紙を使っています。

作者喜多川歌麿

13,200円 から(税込)

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IMAUKIYOE3

現代の美人画=「いまうきよえ」シリーズにも越前奉書紙を使用。爽やかなブルーが涼感を演出します。

作者カンバラクニエ

33,000円 から(税込)

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ルパン三世浮世絵木版画 大判 峰不二子

もうひとつの現代の美人画ともいえるアニメの浮世絵は、日本の粋を集めた逸品。もちろん、越前奉書紙を使用!伝統文化とサブカルチャーのマリアージュですね。

原作者モンキー・パンチ氏

66,000円(税込)

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9月

感覚の世界
摺師・森愛鐘

 摺りの仕事は絵具の調合から紙の湿し、バレンを当てる力の入れ方まで、その微妙な加減は全て感覚を頼りに進めていきます。絵具も紙も時間も体力もなるべくロスが出ないように、ちょうど良い加減になるよう調整しながら作業を進めていきます。しかし今まで何千枚、何万枚と摺った仕事でも、毎回少しずつ感覚が異なり毎回完璧に同じように摺ることはとても難しく感じます。おそらく人間の感覚に絶対というものはなく、自分自身が感じている以上に日々ゆらいでいるものなのだと思います。慣れてきたころに思わぬ失敗をし、自らの不正確さを自覚します。そしてその実感こそ良い仕事をする為に大切な感覚のような気がします。

Kyo-Box

重なり合って生まれる色彩をそっくりそのまま再現するのは至難の技です。

作者竹中健司

22,000円 から(税込)

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GIFT

同じようでひとつずつ違うみかんの表情がかわいらしい作品です。

作者原田裕子

11,000円 から(税込)

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冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏

約二百年もの間多くの職人によって摺り続けられてきた浮世絵の傑作。何代もの職人によって微妙に異なる色彩パターンが生み出されてきました。

作者葛飾北斎

13,200円(税込)

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10月

ばれん
5代目摺師・竹中健司

 ばれんの中身には竹の繊維をつないだ竹芯が入っています。あて皮と呼ばれる薄い和紙を50枚ほど張り合わせた丸い型枠に、 その竹芯を入れて竹皮で包みます。竹芯を大まかに区別すると8コ12コ16コという種類に分かれており、それらを摺り方に応じて使い分けていきます。バランスよく使い分けて木版画を摺り上げていくために常にメンテンスも考える。人も道具も動いたらメンテナンスを忘れてはいけません。

京都名所之内 金閣寺

浮世絵は絵具を強くしっかりと和紙に摺り込むため、固いあて皮がむいています。

作者歌川広重

13,200円 から(税込)

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IMAUKIYOE7

舞子さんの頬のぼかしや唇など、小さな面積を繊細な仕上げにする場合は、よくしなり柔らかさを感じるばれんで。

作者カンバラクニエ

33,000円から(税込)

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ブックカバー しきたり

和紙文具は一度にまとまった数量を摺るため、リズミカルにテンポよく作業できるよう自分が1番使い慣れたばれんを。

作者野嶋一生

880円(税込)

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11月

おかしなモクハン(洋菓子編)
6代目摺師・原田裕子

 竹笹堂では、スタッフの誕生日にみんなでお祝いします。毎日3時にはお茶の時間があるので、その時間にみんなでバースデイソングを歌い、ケーキをいただくのです。歳を重ね、だんだんと誕生日を待ち遠しくは感じなくなってきましたが、それでも、誰かにお祝いしてもらえるというのは嬉しく、特別なケーキに顔も心もほころびます。

木版和紙 ケーキ

スタッフの誕生日ケーキを用意しているときに、思いついたデザイン。人数が多い時のホールケーキの切り分けは至難の業・・・!

作者原田裕子

1,320円 (税込)

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木版和紙 マカロン

20年ほど前に生み出したデザイン。当時、はじめて出会ったマカロンの色とりどりの可愛さに心を奪われた記憶があります。

作者原田裕子

1,760円(税込)

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京の渦

いかに風味をとらえ、いかに美味しそうに・・・と、版木の上でも試行錯誤しておかしなモクハンは出来上がります。

作者原田裕子

2,200円(税込)から

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12月

京都の時間
彫師・野嶋一生

 竹笹堂の木版デザイナー加藤光穂が作画担当の京都時間シリーズ。京都で見たことのある色々なモチーフが、そばに置きたい楽しい絵になっています。彫りで心がけているのは「毛抜き合わせ」といわれる、色版と色版をピッタリと合わせる技術。重ならず、隙間もあかず。このあたりにも、京都らしさというものが込められています。

京都時間 maiko

髪飾りの白抜きの形が黒、肌色、桃色の3版にわたっています。これがズレてしまうと、うなじや頬のラインの美しさも台無しになってしまいます。

作者加藤光穂

2,200円(税込)から

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京都時間 yurikamome

足の淡いオレンジと水色の背景。両版が補色の関係にあるときは特に気をつけています。

作者加藤光穂

2,200円(税込)から

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木版画カレンダー2023
(2色展開)

京都時間に登場したモチーフが大集合。毛抜き合わせの箇所を見つけてみましょう。

作者加藤光穂

1,760円(税込)

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